写真や絵画でこういう街並を見ることがあります。垂直に建物が積み上がっているように見えますね。こういう街並を作りたい、と自分はずっと思っています。

一見縦に積み上がっているように見える建物たちですが、現実の街では下の図のようになっている、わけはなく、、

下のように、案外奥行きのある配置になっているわけです。まるで垂直の壁のように見えていたのは、遠くから望遠レンズで撮った時のいわゆる圧縮効果(前後の距離感が圧縮されて見える)のためです。

でも自分が作りたいのは、本当に縦に積み上がった街並なのです。しかも、実際にあってもおかしくないようなリアリティのある構造にしたい。
現実には存在しない構造なので現実の街並はあまり参考になりません。アートやゲームの世界には垂直な街が描かれたものがそこそこありますが、建物が丸々壁からせり出していたり、路地が省略されていたり、構造的に無理を感じるものがほとんどのようです。
どうやったら建物や路地を立体的に無理なく配置していけるのか。結局のところ、無理なくというのは(現実に存在していないことからも分かるように)無理なことなんだろうと思うのですが、それでもできるだけそれらしくデザインするということをずっと考えてきました。
それで最近になって、ようやくちょっと掴めてきたというか、こういう感じでデザインしていけば(さほど)無理矢理な構造を作ることなく建物を縦に積んでいけるなというのが何となく分かってきました。例えばこれ、路地(ほとんど階段ですが)がちゃんと全ての建物につながっているんですよ。

テストデザインなのでこれをこのまま作るかは分かりません。実際に製作可能な構造にはなっているはずですが、これまで通りの作り方では手間が膨大にかかりそうです。
それでもこれくらいの規模かもっと大きなもの、本当を言えば高さ、幅、奥行きともにこの倍以上あるものを作ってみたい、という思いはあります。ハードルはまだ幾つかありそうですが、ずっともやっとしていたものがだいぶクリアーにイメージできるようになってきたなと思っています。
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